読書記録2と、映画「アース」

8、夜のくもざる 村上春樹
☆☆☆

超短編集。広告のために書いた小説だとか。(糸井重里さん発案)
どれもこれも面白かった。ふわふわつかみどころのない頭の中の妄想?だとかそういうものをぐわっとつかんでそこだけ書き抜いたらこんな作品が書けるのだろうか?
答えもなくて、きっと意味もなくて。感じ方は読み手に投げちゃっている感じが好き。



9、「社会を変える」を仕事にする  駒崎弘樹

☆☆☆☆☆

「病児保育」という難しいテーマにぶつかっていった、一人の素敵な起業家の話。
動いたこと、感じたこと、難しかったこと、嬉しかったこと。それらが全部具体的に書かれていて、とっても好感が持てた。

 社会起業家ってきっと、大義名分を掲げて理想に燃えた正義漢、というよりも、「これってどーなん?」「もっとこうしたらいいんじゃないの?」という、しごく素朴な疑問だったり、「周りがハッピーで自分もハッピーがいい」という人として根源的な当たり前の欲求だったり、それに気づいた人、その気づいたことを解決するべく歩んだ人、ということなのだ、きっと。

 働く女性の抱える問題には、私も女性だし、ものすごく関心がある。「働きたい」女性が働きやすい環境を企業が、社会が整備していくことがこれからはもっともっと必要になるだろう。
 そしてその一方で、幼い子供と母親(もしくは父親)とのふれあいはやっぱり本当に大切だと思っている。
幼い頃にしっかり両親の(もしくは周りの大人の)愛を感じて育った子供は、まっすぐにまっすぐに育つのだと、思うから。

 だから、女性が働きやすい環境の整備=保育所の充実、というばかりでなく、実の母と子のふれあいがしっかり持てて、かつ働きたい女性が輝けるような仕組みづくりが大切だと思う。最近よく聞く「ワーク&ライフバランス」というものもこれにつながるのだろうけど。

 たとえば社内に託児所を設けて、交代で社内のママや希望者がお世話をするとか。未婚女性や男性にもいい経験になるだろうし、なにより社内の人が「誰かのパパやママ」なのだ、という実感がわいてあったかい雰囲気が生まれないだろうか。
 にたようなことしている会社はあるのは、たまに見聞きするけれど。どうなんでしょう。



10、地球のためにわたしができること  枝廣淳子

☆☆☆☆


朝2時おきで有名な枝廣さん、私も朝は5時に起きる早起き鳥ですが、2時は現実的ではないので、子供が生まれたら私もしてみようっと。
知っていて、していたこと・・・お弁当箱をつかう。水筒(おととい購入!)。マイバッグを持ち歩く。

知っていて、してみたいけどまだしていないこと・・・100万人のキャンドルナイトに参加する。マイ箸を常備する。ケータイをリサイクル。

知らなかったこと・・・地球が誕生してから「水」は、同じものが循環しているのだ、ということ。

文章がほんとに読みやすいので、じっくり読んでも30分もあれば十分。
この本は借りたのだけど、こういった本こそ、手元において「こんどはこんなことしてみようかな」とか「あ、これ忘れてたな」とか。たびたび開いて導いてもらう指針として、持っていたいな、と思った。



おまけ 映画「アース」を観て

店内のイベントでも地元の情報誌さんと組んでこの映画のパネル展を開催している。
感動して胸が熱くなるのは予想していたけれど、予想以上だったのが、構成が非常に面白かったこと。時にコミカルな動きもみせる動物たちの姿に、同じ地球に住むものとして、様々な「命」へのいとおしさがこみ上げてきた。

自分のことしか考えられない人は、悲しい人。
自分の感情にふりまわされて、周りをもふりまわしていた少し前までの私は、とても寂しい人間だった。

でも、今は意識して暮らしている。
ちっぽけな自分を。
そんな自分を包んでくれるたくさんの人の愛を。
そうして、自分の力を誰かにむけて飛ばすこと。
自分も負けじと、誰かを愛すること。
人は小さくて弱いけれど、とてつもないパワー(影響力)をもっていること。
ならば、それをいいほうへ使わなくてはいけないのだ、ということ。
まだ、間に合うこと。
できることからはじめること。

そうして3ヶ月くらい、暮らしているうちに、確かに自分が変わったことに気がついた。


自分のことよりも、人のことを考えることが素直にできたときに、とてつもない喜びや充足感を感じていることに。
これは、きっと偽善なんかじゃない。
それが素直な、個人としての喜びなのだ。
こういう気持ちはきっと、すべての人の心の中にあるものだと、信じたい。


人は今、全力でその大きなパワーを、愛を、地球へ向けなければいけないのだと思う。
こんな私ですら、そのことに気づいたのだから。

ぜひ、観てください。